「産学連携プロジェクト」は、県内の食の事業者が抱える課題を学生と事業者が一緒になって解決に取り組むプロジェクトです。
8月に始まったこのプロジェクトは、神奈川大学経営学部中見ゼミの学生たちが事業者から課題を聞き出すことから始まり、新商品の開発や新しいビジネスモデルの採用など、学生らしい視点からさまざまな解決方法が提案されました。
3カ月にわたる取り組みを紹介します。
新しいコンセプトの商品を提案
“味の共有ギフト”で繋がりを大切にする
企画からプロモーションまで
三崎恵水産チームは新しいコンセプト「味の共有」を実現するギフト商品を提案しました。
提案のきっかけとして「大学入学後もコロナの影響でキャンパスに一度も通うことができず、人と会う機会を失い、改めて『人との繋がり』を大切に感じ」たと話す学生たちは、コロナ下でも「大切な人とのコミュニケーションのきっかけ」になるギフトを思いついたといいます。
ギフトは三崎恵水産の既存の商品を組み合わせましたが、どの商品を組み合わせるかから始まり、商品写真の撮影や、コンセプトを伝えるためのリーフレットの制作、SNSなどでの発信や動画やプレスリリースの作成など、関連する膨大な作業をこなしていきました。
贈り主と受け取り主が味を共有
贈り主にも、受け取り主と同じ商品が届くという新しいコンセプトの“味の共有ギフト”を提案し、商品企画から、リーフレットやメディアへのニュースリリース、PR動画なども作成し、SNSなどを使ったプロモーションを行ったことが報告されました。
三崎恵水産 代表取締役 石橋匡光さんは、「私たちにとっても初めてのチャレンジだったので、学生の皆さんとまず、何ができるのか?というところからスタートしました」と振り返ります。「当社の製品である『まぐろづけ丼』と『まぐろコンフィ』をセットにしたり、贈り主と受け取り主の双方に送るといったコンセプトは、今の時代にとてもマッチしていると感心しました」と学生たちの提案を高く評価しました。
スケジューリングの大切さを学ぶ
参加した学生たちは「自分たちのアイデアが実際の商品として形になり、販売されるという貴重な体験ができたことに感謝しています。同時に、アイデアをカタチにしたり、商品の魅力を伝えたりする難しさも実感しました」とプロジェクトへの取り組みを振り返ります。
また、今回は商品企画だけでなく、リーフレットの制作、オンラインショップへの商品ページの掲載、SNSへの投稿、プレスリリースの作成など、新商品発売に関わるさまざまな準備作業を行う必要がありました。それぞれの作業は決められた期日までに行う必要があり、「販売までの過程でのスケジューリングの大切さ」が最終報告では強調されました。
石橋さんは「このプロジェクトの成果は、今後の商品企画にも生かしていきたいと思います。このプロジェクトを通じて、ものを作って、売るということ、誰のための商品をどうやって届けるかといった基本を学生さんと一緒に学んだ気がしました」と自分自身の気づきにも繋がったと振り返ります。