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「産学連携プロジェクト」は、県内の食の事業者が抱える課題を学生と事業者が一緒になって解決に取り組むプロジェクトです。

4月に始まったこのPBLは神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科の崔ゼミの学生たちが元町に本店を構える和菓子屋の香炉庵が抱える「若者の和菓子離れ」の課題解決に向け、Z世代ならではの視点で新商品の提案ができないか?という想いでPBLに取り組みました。

 

 

地域の特性をコンセプトにした新商品の開発

 

 

元町レトロ」という商品コンセプト

 

 

 先ず、香炉庵の沿革や過去のコラボ商品なども含む商品ラインナップからマーケティングデータによる和菓子業界の実情を齋藤常務に説明していただきPBLがスタートしました。

 ゼミを4グループに分け、課題解決の方向性を新商品開発により「若者に和菓子にふれてもらう機会を創出すること」・「観光資源や地域資源を活かすこと」・「香炉庵の知名度を上げること」とし、中間発表を経た結果、元町の異国情緒ある地域性と現在Z世代の間で流行している「レトロブーム」から着想を得た「元町レトロ」をコンセプトにした「元町どらちっぷ」と「元町くるもっち」の2種類を新商品候補として11月の学祭(みなとみらい祭)で試食販売(テストマーケティング)を行うことになりました。

 

 

 

 

試食販売(テストマーケティング)を実施

 

 

 2022年11月5日(土)、6日(日)の2日間、みなとみらい祭で新商品候補2種類を販売しました。個数が限られていたこともあり、2日間とも予想を大きく上回り1時間程度で完売。若年層から家族連れや高齢者の方々まで幅広い層にご購入いただきました。また、会場では並行してゼミ生が制作した「和菓子シアター」の上映やクイズイベントで啓蒙・啓発活動も行いました。

 購入者を対象としたアンケートでは両商品ともそれぞれの個性を活かした味や食感に高評価をいただき、甲乙つけがたい結果となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

赤レンガ倉庫でバレンタイン企画商品として販売

 

 

みなとみらい祭の反響を受け香炉庵から、餡にチョコチップが練りこんであることから新しいバレンタインチョコの提案として「元町どらちっぷ」をバレンタイン期間限定商品として2月10日(金)~14日までの5日間、赤レンガ倉庫1号館1階の横浜ベストコレクションⅡの香炉庵コーナーで販売する機会をいただき期間中4日間、日替わりでゼミ生が売り場に立ちました。

実売することで商品の魅力をどう伝えれば良いのか、商品の感想をどう聞き取れば良いのかなど苦慮しながらお客様の応対を行い、5日間合計で143個を売り上げました。

 

 

齋藤常務から指導を受けるゼミ生

 

 

販売コーナー1

 

 

販売コーナー2

 

 

今回、各チーム内で役割を分担し、和菓子に関する研究論文のレビューをしつつ元町の歴史や特徴についても学び、何度もディスカッションを重ねたうえでフィールドに飛び出し、現地調査はもとよりテストマーケティングで得たアンケートやインタビュー調査の結果を、味決めやデザインコンセプトの構築に活かし最終的には商業施設の売り場に立って販売してみましたが思うように声が掛けられなかったり苦戦しながらも、直にお客様と接することで自分たちの取り組みがお客様にとってどのように受け取られるのか、そして購入に至る消費者行動などを学びました。

 

 

ふり返り、そして新たな学びへ

 

 

香炉庵の齋藤常務からは「まず第一に、学生(若者)が和菓子に真剣に向き合い、触れ合ってもらえたのが良かった。今回の経験が今後社会に出たときの糧になってくれれば。」とのお話を頂きました。そのうえで、「来年度はマーケットリサーチにフォーカスして、和菓子を大学視点のワークで『横浜の観光土産』に落とし込んだうえで、その先にある香炉庵の商材(商品)を活かしたワークもおもしろい。」と次年度の継続案件としてご意向を示していただきました。

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