つくる人とたべる人を、
笑顔でつなぐプロジェクト。

お店一覧

都心から1時間弱でアクセスが出来る横須賀市秋谷。
海岸に突き出た大きな奇岩「立石」。富士山を背景にした景色は、絶景のビューポイントで有名な観光スポットの一つである。
そんな絶景を一望できる「レストランDon」。
地場食材を使用した豊富なメニューを求め、地元や都心近郊から多くの人が足を運ぶ。46年もの長い間続く人気店のオーナーに迫る

 

 

【レストランDon オーナー 大串 正博氏】

 

飲食の世界の第1歩は意外な始まりであった。

20歳~21歳のときに始めた焼きいも屋の移動販売。冬には人気とはいえ季節商品なので、春、夏、秋と次に何を売るか考えなくてはいけない。

「この手の商売をする人たちのことを当時は“ごてい屋”といって、冬が終わるとあさりや網戸など販売していたが、私自身はこの手の商売には興味がなかった。」と言う。

そんな中で浮かんだのが、「じゃがいも屋」。当時ファーストフードという概念すらなかったが、じゃがいもは色々な調理法があるため広がりがあるのではと考えた。その考えの延長線上で浮かんだのが、「飲食店」。

そんな時に学生時代にオートバイに乗って通った喫茶店が頭をよぎった。

「6歳上の兄貴に教えてもらった『モンブラン』という喫茶店があったんですよ。今のDonの場所で営業していたので、今も営業しているのか確かめにいったんです。すると兄貴と行ったときの面影はなく本当にお化け屋敷みたいでしたね・・・(笑)」

大串さんはその光景を目の当たりにして尚「ここでお店を営みたい」と強く思い、焼きいも屋やじゃがいも屋のことは頭から消えたと話す。

「当時、素人でも喫茶店を開業するブームの時期でしたからこの素晴らしいロケーションがあるこの場所でお店を開きたい!」と思いは固まったという。

 

 

 

 

しかし、この土地と建物の持ち主が分からなかった。周辺の人や交番に行き訪ねて回り、となり町に所有者がいるという情報を得て単身お願いに向かった。

「当然、どこの誰かも分からない若者ですから門前払いされました。ただそこから根気よく毎週のようにお願いにあがりましたね。」

1年間毎週のように通いつめた結果、ようやく貸してくれることになったという。

 そして、念願のオープンを迎えた。しかし1週間で休業。

 

「当時は夢や希望ばかりで色んな所にお店を構え、挙げ句の果てには海外進出を目論み香港にも進出しました。」

 

 しかし、現実は厳しくここから地獄の日々が続いたと話す。

「地獄なんて生やさしいものじゃなかったですよ。“失敗は成功の母”なんて思ってましたが現状復帰まで20年もの期間を要しましたよ。」

当時を知る事務の方は、「今の状況が信じられない」と良く大串さんへ話すという。

紆余曲折を経て今年の5月5日で47年目を迎える。

「暖かさ」「ぬくもり」

 このキーワードをどう具現化するかということに重きを置き、「味・サービス・雰囲気」のトライアングルをマッチさせ“お客様に満足してもらう”ことが大切だという。

 

 

 

 

「お客様はお店を選ぶときには、その店に対して期待をもってお金を払いますよね?その期待を少しでも上回れば喜び、下回ればガッカリしてしまう。」

「当時は、海辺の店など場所の良いお店は、値段は高いのに味はそこまで・・・という評価でした。Donのメニューはリーズナブルな価格であり、良い意味で高級店らしい仰々しい挨拶よりも、どこか親しみのある気持ちの良い挨拶を、と考え対応していました」。

「味」の面でも地元三浦産の魚介類や野菜を使ったメニューは多くの方に大人気である。

「農家の方、漁師の方などにご協力いただいて安くて良いものを提供出来ているので本当に感謝しています。」

 

 

 

これから先50年さらに100年と目指していく中、大串さん自身の今後について伺うと、「次の世代に向けての土俵作りをすること」だという。

「今あるDonという場所で、若い世代に対して何かを“与える”ではなく、自分たちで“創り出す”こと。それこそが若い世代のやりがいになりますから。」

さらに、大串さんが言う土俵作りは今働く上での「使命」。

ただ押しつけはしない。

「極端なことをいうと売っても、潰してもそれは自由だと。そう言われた若い世代はぐんぐんと成長するんですよ。」と

 

 

 

今回の1階「The LOUNGE」のリニューアルもその一つである。

人気メニューの渡り蟹のトマトクリームスパゲッティは持ち帰りや配送での依頼がとても多く、コロナ禍というきっかけもあり通販に力を入れることを決めた。

「1階にセントラルキッチンを作り、お店の状況によって人員を割き稼働することが出来ると考えました。同時にゆったり出来るラウンジを作りました。」

近年のカフェという概念よりも、このロケーションの中で“ゆったりくとろげる”ことをコンセプトに改装したという。

改装を機にさらにバージョンアップした新しいDonに生まれ変われると考える。

 

 

 

 

開業前から今日まで一貫している

“一生懸命”

人気のメニューやお店のサービス・ロケーション。全ての始まりは大串さんのモットーが礎となっている。

 

レストランドン

http://www.don-akiya.com/

news